ウェブサイトを立ち上げるに至った経緯

聴こえない仲間が就いている職種についてどんなものがあるの?

最後に・・



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ウェブサイトを立ち上げるに至った経緯

 理系においてコンピューター・建築・電子工学・機械系などの工学分野に進学・就職する ろう者,難聴者が急に増えつつあります。ろう者専門である筑波技術短期大学もその一例で 工学分野に進み、専門職に就いたろう者は星の数ほどいるといわれます。
しかし生命科学系だとどうでしょうか?
ひとつの例ですが、昭和50年代初期まで農学部にバイテクという言葉が浸透してなかった頃は 「作業的な」性格からか比較的受け入れを認めていた様です。
その後、バイオテクノロジーブームが世間に広まり、急に人気が出てから
(1)実験・実習が非常に危険である。
(2)競争率が高く志願者が多く入ってくる為、ろう・難聴学生にまで指導するゆとりが 全くない。
などの理由で過去にろう学生を受け入れた経験のある諸大学も受け入れを拒否する様になり、 私達の世代は医療系も含めて進路断念・変更を余儀なくされるなど苦渋を味わいました。
医学・薬学・衛生技術(臨床検査)などの医療系に進学して基礎研究・検査系の道に 進む手段が他にあっても『目が見えない者、耳が聞こえない者又は口がきけない者には、 免許を与えない』という絶対的欠格条項があったが為に、志していた仲間が途中で断念 していくのを歯がゆい思いで見てきました。
(やむを得ず歯科技工士などに転向したケースもあった様です)



 個人的になりますが、私ことあおぞらが受けてきた経験の一例を述べたいと思います。
小さい時から植物、海や大自然が根っからの大好きで、物心ついた時から植物学者になりたい! という夢をずっと持ち続けていました。
一般校への転入や高校受験の際に聴こえない事を理由に受け入れを拒否されるなど 苦労はありましたが、農学部で資格をとらないと研究ができないというはっきりとした 欠格事項はないと判断して、“園芸植物学・日本農業問題の研究に一生を捧げていきたい” という真摯な夢を抱いて地元の私立大学農学部の推薦入学を目指しました。
その際に地元の私立大はもちろん、全国各地の私立大・国公立大農学部からも耳が聴こえないと いう理由で、高校・私個人からの必死の懇願にも関わらず一貫して受け入れを拒否され、 暗に文系への進路変更を勧められました。
ごく一部の国立大のみ受験許可が下りたものの、ハイレベルで難しく受験の為の対策を しぼりきれず、大学側との問い合わせ・交渉に時間をとられてしまい、現役で受けて不合格、 宅浪しました。
その後、現役時に受験可能だったのに、農学部長が代わった為一転して受け入れ拒否となり 受験ができなくなったケースまで見られました。


<受け入れ拒否文書の事例> (大学名・氏名は伏せてあります)
.  (それぞれをクリックして見て下さい)
具体的な理由を挙げた上で受け入れを拒否している例や重度障害者を 受け入れない決まりになっているからといった例、突っぱねたきつい表現で拒否された (これが一番腹立ちました)例まで載せてあります。
また某大学農学部の受験案内パンフには
『 両耳の聴力レベルが40dBを超える者は入学許可を与えない 』
とはっきりと差別事項を明記していたところもありました。(廃棄した為、資料なし)
上記に関して、高校時代の担任だった先生が高等教育機関の受け入れ拒否に対して疑問を持ち、 校内会議で問題提起をした時の資料の一部を掲載しておきます。
. (クリックして見て下さい)


平成に入り、薬剤師を目指して法律の壁と闘ったろう女性らの運動がきっかけで医療系の 資格などの絶対的欠格条項が削除されて、しばらくして“受け入れ拒否”を掲げる 高等教育機関はかなり減ってきました。
ですが、昭和世代に門戸を閉ざされていた歴史があったという事実を伝えるべく 今後もこういう差別が起こり得る事を、後に続く聴こえない後輩達に示していこうと 思っています。


私が受験した時は、国公立大学がA,Bグループに分かれており、 共通一次試験の結果次第で希望にあわせて1校ずつ受験できたのですが、 どうしても農学部に進みたかった私には、問い合わせした30〜40校のうち 受け入れてくれるところがAグループしか残されておらず、やむを得ず文系の 私立大学も一緒に受けざるを得ない状況に追い込まれました。
2回目の挑戦で落ちた時点で別の道に進まざるを得ない段階になった時に、 軽い気持ちで受けた県立短期大学農学部に受かり、前向きな受け入れ体勢を示して下さった事 から考え直して
『2年間だけでも学びたかった大好きな学問に思いっきり打ち込めるなら・・・!』
と決意して文系への入学を取り消して短大農学部に入る事にしました。


短大農学部としては、聴こえない学生の受け入れは初めてのケースで戸惑いがありましたが (講義の内容がわからず、まもなく急性腸炎で倒れて1週間入院しました(爆))、 理解ある先生方や先輩・同級生の支えでノートテイク制度を立ち上げる事ができました。 更に卒業式でみんなの祝杯を受けて優秀賞を授与されるなど、 様々な励ましを肌に感じて卒業する事ができました。
講義や実験で苦労した面こそあったものの、周辺の人々のフォローや工夫次第で こなす事ができたし、“「耳が聴こえない」というだけで純粋に生命科学系を志す ろう学生達の前途が閉ざされなければならなかったのか!”と、 とめどなく疑問が湧いてきて吹き出てくる感情を抑える事ができませんでした。
就職活動では苦労の末、某研究所に決まりましたが、社会人として生きていく上で いろいろと悩み苦しむなど平坦な道のりではありませんでした。
それでも、耳の聴こえない全ろうである私を受けいれて下さった短大側には 今でも本当に深謝しています。そのお陰で今でも研究部門で働き続けている自分が いるのですから・・・!



 人事異動や機構改革のさなかで仕事を続ける中で、全国各地に散らばっている 研究・技術部門に就いている聴こえない仲間が、高等教育機関や職場で悩み途中で 断念する事がない様に励ましあえる交流の場を設けたいと思って、 2003年(平成15年)1月にBBSを立ち上げました。
残念な事に、手違い?で初めのカキコ歴40数件は消えてしまいましたが(涙)、 共同管理人ことふくさんのご協力を得て過去ログBBSと共に2005年(平成17年) 1月付でウェブサイトを立ち上げて頂く運びとなりました。


生命科学系を学び、専門職に就いている仲間が一人ぼっちで悩む事がない様に、 専門分野の幅を超えて情報交換しあって励まし・共感できる場作りで あればいいなと思っております。
各地でオフ会を開いたり、全国の集いまで開催できたらいいですね♪


コンピューター・建築・歯科技工・公務員・ろう学校教員・デザイン系・医療従事者の会 などの専門職種に就く聴こえない仲間の為に様々な団体組織が作られています。 私達も生命科学系を学び、その職種に就いたりしている聴こえない仲間の会合を夢見て、 このウェブサイトを仲介にしてPR活動に役立てていきたいです。
これからもどうぞよろしくお願いします。



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聴こえない仲間が就いている職種についてどんなものがあるの?

 タンパク質デザイン・薬理学・口腔細菌学・植生学・神経科学・毒性薬物動態・ 細胞診(臨床検査)・発生生物学・医薬品化学・油脂分析・食品分析・血液分析・ 魚類学・有用微生物・キノコ研究・生物(理科)教師・農業経営学
・・・など幅が広いです。


 ろう・難聴学生では農学・生物科学の様な学部・学科だけでなく、 医・薬学部にも進学するケースが増えています。耳の聴こえに関係なく、 聴力の差で振り分けられたり排除されたりする事なく、 またろう学校・一般校出身の区別なく、自分の希望する様々な専門分野を学んで 一生の仕事として努力次第で選んでいける社会になって欲しいと思います。



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最後に・・

 生命科学を学び、関連職種に就いているろう者,難聴者,聴覚障害者がいましたら、 よき仲間とし楽しく交流して今後の発展に役立てていきましょう!!
手話や聴こえない仲間に関わって下さっている聴こえる研究仲間も大歓迎です!
直接コンタクトをとりたい方は、メインBBS一番下の「管理者へメール」をクリックして 連絡をお願いします。


 メンバーの中には、聴こえない事に誇りを持ち、手話を言葉として大事に使っている仲間 もいます。しかしながら、健聴者が主体の世界の中でろう者・難聴者にとってはやりにくい 世の中である事は否めません。耳が聴こえないが為に、自己のアイデンティティ形成にも 苦労する人が少なくありません。
このウェブサイトでは、情報保障やコミュニケーション問題について、手話通訳・パソコン要約筆記 ・ノートテイク・音声認識・TV字幕などにより情報の共有をはかり、健聴者と同じ様に 社会参加ができる条件に近づけていけばよいのか、聴こえない仲間達の可能性を信じて 前向きに考えていくのを理念に進めていきたいと思っています。
この為、耳の治療に関する医療行為とは目的が全く異なる事をご理解下さる様お願いします。



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