理科のお話5
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      原子ってどんなもの 

 今回のお話は、もう少しよく見える虫眼鏡で、原子を見てみようということなんだ。
 しまった。この間100円ショップで見つけた虫眼鏡を買っておくのだった。
 私、頑張って目を凝らしてみてみるわ。きっと見えるんじゃあないかと思うわ。
 あのねえ、分子のお話をしたときに言ったでしょ。分子でさえ見えないんですよ。
    その分子を、さらに細かく分けた原子を、あなた達はどのようにして見るって言うのですか。
 でも、先生が・・・・
 見えないものを見る。心の目で見る。それが、イメージというものです。
    見えないものを、イメージによって見る。それって、すごく大切なことなんですよ。


 じゃあ、まず、自然界に92種類ある元素、どういう風にして分類されているのか、どのように原子番号が付けられているのかお話しします。
 (これから、原子爆弾の作り方の本質を学ぶことになるのか・・・ よ〜し、メモメモ)
 映画でも、テレビでも、ちゃんと目に見えなきゃつまんない・・・
 皆さんは、「水金地火木土っ天海冥(すいきんちかもくどってんかいめい)」って聞いたことがありますか?
 知ってる、知ってる。太陽系の惑星ってやつだろ。
     でも、最近冥王星が惑星からはずされたとか・・・
 よく知ってますね。
     太陽系では、中心に太陽、その周りを、内側から「水星」「金星」「地球」「火星」木星」「土星」「天王星」「海王星」冥王星」
     の順に回っているのです。
 夜空を眺めても、そんなことは気にならないわ。気になるのは、「流れ星」だけ。
     カツオブシをたくさん食べられますようにってお願いしたいの。
 右に示したのが、太陽系の惑星だ。
     中心にある太陽の周りを、水星から冥王星までの惑星が回っている。
     注意しておいてほしいことは、

     1.惑星の軌道は、等間隔ではない。
       外側の行くほど、惑星同士の軌道の間隔が広くなっている。

     2.中心にある太陽は、太陽系全体の大きさから見ると、
       おどろくほど小さい。

     ことなんだ。
 ほんとうね。私たち、地球上の全ての生き物の「命」をささえてくれる太陽、
     南の空高く、真っ赤に光っている、あの偉大な太陽。
     それがこんなにも小さいなんて、宇宙の大きさってどんなにすごいのかしら。
 算数の時間に、コンパスで円を描いたときの、針の跡みたいに見えます。
 本当にそうだね。
 それに比べたら、地球上の生き物なんて、なんと小さなものなのでしょう。
 ミーちゃん、ちょっとおセンチになっていませんか?
 そんな小さな「人間」という生き物が、この大きな宇宙に飛び出していき、
     自分たちの思ったとおりにしようとしている。
     それって、この偉大な宇宙に対する暴挙だわ。
     そんなことは決して許されることじゃあないわ!
 確かに、ミーちゃんの言うことにも一理ありますね。
 そうよ。
     人間に、決してやってはいけない、宇宙の開発なんかをできるようにさせたのは「科学技術」よ。
     わかったわ。 「理科」と「算数」が悪いのよ! 私、今後、「理科」と「算数」の勉強しないことに決めました。
 はぁぁ〜 どうして、話がそういう風になってしまうのでしょうか。
     結局、ミーちゃんは、何か理由をつけて勉強をしないようにしているだけなのですね。
 えへっ。ばれちゃったみたい。


 先生、惑星は太陽の周りを回っているのに、どうして外側の方に飛んでいってしまわないのですか?
     ひもでも付いていないと、降りまわされて、外側に向かって、ブゥゥ〜ン。
 ワン君、頭の調子が良いですね。
     その通りです。回転している物体には、遠心力という、外向きの力が働きます。
     それなのに、惑星は太陽から離れては行きません。ほとんど同じ軌道を、ほとんど永遠に回り続けます。
 見えない「ひも」があるのですか?
 それは、惑星と太陽の間に働いている「万有引力」なんです。
 ああ、リンゴが落ちちゃって、割れちゃって、食べられなくなちゃった、っていうあれでしょ。
 これこれ、偉大なる科学者「ニュートン様」を茶化すではない。
 質量(重さ)のある物質同士に、必ず働く引力のことですね。


 ところで、次にこの絵もご覧なさい。これは何だと思います。
 美味しそうな、ドーナッツ!!!
 こら、ミーちゃん。先生がドーナツの絵をみせるわけないだろ。
     ボクは、私たちが住んでいる、この太陽系以外の太陽系だと思います。
     太陽の周りを、6個の惑星が回っている。内側に2個の惑星、その外側の軌道には6個の惑星が回っています。
     こんな太陽系もあるんですか、先生。
 あれは、ドーナッツの上に付いている「チョコチップ」。
 いえいえ、別の太陽系でも、ドーナッツでもありません。
     これが、古典的な原子の模型です。ラザフォードという科学者が、1911に提案したものです。
    
原子の「惑星モデル」あるいは「ボーアモデル」などと呼ばれています。
 原子って、小さな宇宙、っていうわけなのね。
 真ん中のが「原子太陽」、外側を回っているのが「原子惑星」で良いのですか?
 んなわけないでしょ。
     真ん中の大きいものが
「原子核」、周りを回っているのが「電子」です。
     この絵に示した原子は、「
炭素」の原子モデルです。
 先生、電子ってきっと、私と同じ、「メス」でしょ。
 はぁ〜あ?
 「原子 電子(げんし でんこ)」ちゃんじゃあないの?
 何だか、疲れますね。「子」という文字は、小さなものという意味を持っているんですよ。
 ああ、正義のヒーローが悪い怪獣をやっつけるときに出すビームですね。
 へ
         (どうやら、ワン君が言いたかったのは「電子ビーム」という単語らしかった。)    
 「炭素」原子には電子が6個ありますが、以前出てきた「水素」原子の電子の数はたった1個だけ。
     一方、「酸素」原子は8個の電子を持っています。
 何だか、違う元素の原子は「異なった数の電子」を持っているみたい、な言い方ね。
 ミーちゃん、すごい。ピンポ〜ン。玄関チャイムです。
     そのとおり。自然界にある92種類の元素、それらの元素の原子が持っている電子の数は、全て異なります。
     原子が持っている電子の数で、原子の種類を92種類と分類してあるのです。
 もしかして・・・、先生。自然界にある元素の原子の中で、一番たくさん電子を持っているもの、ウランでしょ。
     そして、その電子の数は92個だったりして・・・ そんな訳ないな、できすぎじゃん・・・。
 またまた、ピンポ〜ン。大正解です。でも、ピンポンダッシュはやめましょう。
     理科のお話4の中に示した「元素の周期表」、あの中の元素の原子は、「水素」の1個から「ウラン」の92個まで、
     全て異なった電子を持っているのです。
    
原子の持っている電子の数、それがすなわち原子番号なんです。


 先生、で、電子ってどんなものなんですか?
 分子は目に見えないくらい小さい、さらにその分子をさらに細かくした原子はもちろん目に見えない位小さい。
     それよりさらに小さい「電子」、限りなく小さいです。
 だから、どれくらい?半径は何センチなの?
 電子の大きさは、計れません。ただ、電子がじっとしているときの「電子の静止質量」は計ることができます。
 教えて、先生。
 じゃあ、読んでみて下さいね。 0.000000000000000000000000000910953 g です。
 じゃあ、原子は?
 原子は、元素によって質量が異なります。
     でも、先ほどの絵の「炭素原子」では 0.000000000000000000000019927 g です。
 で、原子核は?
 「炭素原子」の原子核では 0.000000000000000000000019927 g です。
 それって、「炭素原子」の質量じゃん。
 そうなんです。電子はあまりにも軽いため、ほとんど無視できます。
     ですから、原子の質量は原子核の質量と見なしても差し障りはありません。
 先生、原子核の大きさって計れるのですか?
 原子核の大きさですか? あまりきちんとしたことはわかっていないようです。
     いつか、別の機会に、原子と原子核の大きさをイメージしてみましょう。

 ところで、電池から流れ出てくる電流というのは、電子の流れだと聞いたことがあるのですが・・・
 その通りだよ。電池には、+(プラス)と−(マイナス)という2つの端子があるね。
     そのプラスの端子から、マイナスの端子の方に向かって電流が流れるんだ。
     でも、学校でもそのうち習うことだけど、実際に電線の中を流れているのは「電子」で、
     その方向はマイナス端子からプラス端子なんだ。
 どうして、電流の流れる方向と、電子の流れる方向が逆なの?
 それは、「
電子は負(マイナス)の電荷を帯びている」からなんだ。
     もちろん、原子核の周りを回っている電子もマイナスの電荷をもっているんだ。
 ということは、水素原子は−1の電荷、ウラン原子は−92の電荷を帯びていると言うことなんですか?
 いやいや。この科学の世界は公平だ。マイナスがあれば、それに見合うだけのプラスがなければならない。
     磁石でも、N極とS極が同時に存在するだろ。N極だけの磁石なんてこの世にないんだ。
 科学の世界は公平かもしれないけれど、生物の世界は不公平だわ。
     メスだけが、子供を産まなければならないし、オスの方がけんかが強い。
 さて、原子の中の話に戻るが、原子核の周りを回っている電子はマイナスの電荷を帯びている。
     そして、原子核は、そのマイナス電荷をちょうど打ち消すだけのプラス電荷をもっているんだ。
 原子核の中に、何かプラスの電荷を帯びた粒子が入っているのですね。
 そう、いい感じだ。
「陽子」という、プラスの電荷を帯びた粒子が、原子核の周りの電子の数と同じ数だけ入っている。
 ということは、陽子1個の質量は 0.000000000000000000000019927 g ÷ 6 で計算できるってことか。
     えっへん。ボクちゃんって天才かも。
 おしい。原子核に入っている粒子は陽子だけではないんだ。
     もし、プラスの電荷を帯びた陽子ばかりが原子核の中に入っていたら、プラス同士けんかになってしまって、原子核が壊れてしまう。
     原子核の中に入っている粒子は、「陽子」と
「中性子」「中性子」は電荷をもっていない
 じゃあ、「陽子」や「中性子」の質量ってわかるのですか?
 測定されているよ。陽子の質量は 0.00000000000000000000000167265 g。
     中性子の質量は 0.00000000000000000000000167495 g なんだ。
 うわあ。陽子の質量って、中性子の質量と、ほぼ完全に同じじゃんか。
 そうなんだ。原子の中に入っている「電子」、「陽子」と「中性子」。
     これらの中で、原子の質量を決めているのは「陽子」と「中性子」の数の合計なんだ。
     その合計数を
「質量数」という。
 なんだか重たそうな数だわ。
 そりゃ、そうさ。だって、原子の重さを決めている数なんだから。
 一覧表にまとめてみよう。

原子 原子核 陽子(原子番号と同じ数) 0.00000000000000000000000167265 g これらの粒子の
合計数が質量数
中性子 0.00000000000000000000000167495 g
電子(原子番号と同じ数) 0.000000000000000000000000000910953 g


 うわあ、「0」が多すぎて、いやになっちゃう。
 この世の中にある全てのものが、こんなに小さな粒子の集まりだなんて、何か感動だな。
 じゃあ、次回のお話では、自然界に92種類ある元素について見ていきましょう。



                

 

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