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研究論文 「タン塩をピンクに焼く方法に関する一考察」 |
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序章 スター赤西仁氏の最も好む料理がタン塩であることは、周知の事実であろう。しかし学会で常に問題となってきたのは、その形状である。言説によると「ぶ厚くて、中がピンク」であるそうだ。通常焼肉店等で食するタン塩は極薄であるので(仙台地区などの例外は除く)赤西家独特の厚みであると思われる。しかしここで、我々は大きな疑問点に直面する。それは「中がピンク」という記述部分である。これは生状態をさすのではない。なぜなら某雑誌の中で「肉は煮込まないと腹をこわすと信じて疑わない赤西であった」の記述が見られることからも、火は通っていなければならないのである。フレンチの方法論ではこの状態を「ロゼ」と称し、火加減の操作にかなりの熟練を要する。またフライパンで即席ローストビーフを作る際などでも、一旦表面に焼き色をつけ、その後じっくり火を通したあと、アルミホイルで包み、「寝かす」という作業を行う。そうすることによって、余熱が全体に回り、きれいなピンク色のロゼ状態が出来上がる。果たして家庭の焼肉パーティで、そのような高度な技術が駆使されているのか、もしくは絶妙な温度管理がなされているのか、順を追って実験・分析・考察をしてみたいと思う。
第1章 切断 まず牛タン塊を用意する。(写真1)
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今回の実験では、人に言いたくなるほどぶ厚いという事実から、5mmおよび10mmの厚さに切断を試みた。(写真2)
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第2章 加熱 いよいよ火を通すわけであるが、実験器具として今回は鉄製フライパンを用いる。赤西家でどのような装置(ホットプレート、焼肉パン、七輪、どんど焼き他)が用いられているかは不明であるが、各家庭にて追実験をしやすいという配慮から、これを用いることにする。 サラダ油を薄くひく。火加減であるが、最初煙りが出る程度にまで温度を高め、一旦焼き色がついた時点でひっくり返し、火からあげるまで放置する。フライパンにのせてから引き上げるまでのトータルタイムを各種設定することで、赤西家の火の入れ加減を検証できるのではないかと思う。 また、前述の「寝かし」時間の問題であるが、赤西家での焼肉パーティでその種の待ち時間が設けられているとは、氏の性格から考えて到底思えない。ましてや礼保くんとの肉の取り合いが熾烈を極めていることは容易に想像がつく。従って切断面の観察は、火から引き上げた直後、即時に切断を行い、観察するものとした。
まず5mmの加熱実験を開始する。1回目は総時間30秒に設定してみた。引き上げ、すぐに切断し、その断面を観察した。
思いっきり、生である。
時間の再検討を行い、2回目の実験にとりかかる。次は60秒。引き上げ切断・観察。かなりピンクに近付いてはいるが、中心部分に一筋、レアな部分が存在する。続いて70秒。これも同様の結果。そして80秒。切断面は見事なピンク色を形成していた。 以下、時間を延長し、様々なパターンを試みた。結果を記載する。(表1)
以上の結果より、5mm厚の牛タン片の内部をピンク色にせしめる加熱時間は「80〜100秒」であることが判明した。
なお補足資料として、切断面の写真(右から30・90・110秒加熱)を添付する。(写真3)
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続いて10mm厚の実験にとりかかる。
また、生だった。
次は厚みの関係から、思いきって20秒アップの、110秒にしてみた。
またまた、生だった。
研究に平静心は大切である。しかし材料も残り少ない。なくなればまた「肉のスエヒロ」へ買いに行かねばならない。あの背の高い兄ちゃんはよほどタンが好きなんだねえ1日に2回も来たよ、と、肉屋の食卓の話題にされるのも今後の研究の妨げになる。焦る気持ちを抑えつつ、時間設定を大幅に変更し、なんとか以下の結果を得た。(表2)
以上の結果より、10mm厚の肉片をピンクにさせる時間は「180秒〜220秒」であることが判明した。
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第3章 結論
以上の結果を再度、列記してみることにする。 ・5mm厚の場合、ピンクに焼き上がる時間は「80〜100秒」 ・10mm厚の場合、 〃 「180秒〜220秒」 確かにこれは厳密なものではなく、前後の時間も幅に含める必要がある。しかしこの結果から驚くべき事実が見えてくる。すなわち
「ピンクに焼く時間は、肉の厚みに比例する」
したがって、以下の数式が一般化により導き出される。
どうやら赤西家ではこの法則にのっとって、焼肉の温度管理が厳密になされ、かく言うピンクの牛タンが供されていることが判明した。これは学会のみならず食肉業界、焼肉業界の根底を揺さぶる大発見といえよう。
以上で、本論文を終了する。
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